教育ローンを申し込む際に、

疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。教育ローンも基本的には、住宅ローンや自動車ローンと同じ条件で審査が行われています。
他の借入や、借入状況、現在の収入や勤続年数等を考慮して審査がされています。審査に落ちた際や、これから審査を受ける際に落ちる理由として、考えられる要素は何点かあります。
今回は、それらの中から教育ローンの審査に落ちる際に多い条件を10つ選びました。
全ての金融機関が同じ条件で審査している訳ではありませんが、審査に落ちた方は一つでも心当たりがあればそれが理由の可能性があります。
これから教育ローンの申込を検討している人は下記の「落ちる理由」に該当しないように十分に気を付けてクレジットカードやローンを利用する事が重要です。
目次
- 1 審査に重要な「信用情報」について
- 2 1.現在、他の借り入れを延滞中
- 3 2.年収に対しての借入やローンの返済金額が多い(返済負担率30%が目安)
- 4 3.過去に長期間延滞したことがある。(ブラック情報)
- 5 4.過去に債務整理(民事再生や自己破産なども含む)(ブラック情報)
- 6 5.消費者金融やキャッシングを利用したことがある。
- 7 6.勤続年数が1年未満、または3年未満
- 8 7.過去に同じ銀行(金融機関)で延滞したことがある
- 9 8.過去に何回も延滞を繰り返したことがある
- 10 9.過去も現在も借入を利用したことが全くない(スーパーホワイト)
- 11 10.現在の他行・他社の借入内容を正確に申告していない
- 12 まとめ
審査に重要な「信用情報」について
金融機関では、全ての会社において申込者の信用情報を元に審査を行っています。

と思うかもしれませんが、闇金などの違法金融業者以外は全て、CIC・JICC・KSCのどれか、又は3社全ての信用情報機関に加盟しており、加盟金融機関と信用情報機関が相互に情報を交換できる体制となっています。
そのため、教育ローンの申し込みに当たって自分の借入金額や、過去に延滞したかどうか嘘の報告をしても意味が無く、審査の際には全て調査される事になります。
CIC・JICC・KSCは、自分でも照会する事が出来ます。
過去の延滞状況や自分がどのくらいクレジットカードや消費者金融等を契約しているかわからない場合は一旦自分で調べてみるのも一つの方法です。以下は各信用情報機関のリンクになります。
信用情報機関の中で最も一般的なのは「CIC」です。
JICCもCICと同様に、金融機関やクレジットカード会社などの情報を取り扱っていますが、CICで取り扱っていないような貸金専門業者(いわゆる街金等)小さな業者も取り扱っているため、教育ローン等を申し込む際には、CICとJICC双方の信用情報を調査する場合がほとんどです。
KSCは銀行等の金融機関専門の信用情報機関となっています。
それでは、審査に落ちる条件10つを見ていきましょう。
1.現在、他の借り入れを延滞中

前段で述べたように金融機関では、信用情報機関で現在延滞しているローンがあるかどうかを調べます。
この延滞情報は、1カ月程度の時差が生じてしまう事もあるため、何らかの理由でクレジットカードや住宅ローン等を2カ月以内に延滞したことがある人は、担当者に事情を説明しましょう。他に延滞情報が無ければ審査が通る可能性が高まります。
例1

と銀行の担当者に言っておくと審査の際、延滞情報が出てきた際に優遇される可能性があります。
金融機関の審査担当者の話では、例えば直近で延滞情報がある場合は基本的に断るそうです。しかし、過去にまったく延滞が無く、たまたま今回だけ延滞しているようなケースであれば事情によっては審査が通る事もあるそうです。

2.年収に対しての借入やローンの返済金額が多い(返済負担率30%が目安)


具体的にどのくらいの収入で、どの程度ローンを組んでいると審査に通らないかの基準を図るのが「返済負担率」です。
返済負担率とは?
年収500万円の人が、住宅ローンを毎月7万円返している場合は年間の返済額が84万円となります。この人が他にクレジットカードやカードローン、マイカーローン等、他に何も持っていなければ、
84万円÷500万円=0.168 (返済負担率16.8%)
という計算式に当てはめ返済負担率は16.8%という事になります。申し込んだ銀行の返済負担率の基準が30%だとすれば、残り13.2%分は貸してくれる計算になります。

特に、クレジットカードは限度額30万円のクレジットカードなら毎月5,000円、限度額50万円のクレジットカードなら毎月10,000円等、各金融機関でテーブルを設定して返済負担率の計算に当て嵌めています。
収入が高いからと言って限度額の300万円のクレジットカードを使っていたり、光熱費や店舗によってクレジットカードを何枚も使っていたりすると返済負担率を圧迫することとなります。
住宅や車のローンの他にクレジットカードの利用について不安に感じている場合は、金融機関の担当者に申し込む際に確認した方がいいでしょう。
金融機関によってはクレジットカードの利用金額によって特に問題ない(返済負担率の計算から除外)場合もあるためです。
先ほどの人の例で、仮に新規で300万円、月々返済30,000円の教育ローンを申し込む場合審査に取るかどうか計算してみましょう。下記はAさんの借り入れ状況です。
Aさんのローンの種類
ローンの種類 | 毎月返済額 | ボーナス返済額 | 年間返済額 |
---|---|---|---|
住宅ローン | 70,000 | 0 | 840,000 |
自動車ローン | 30,000 | 30,000 | 420,000 |
クレジットカード (限度額30万円) | 5,000 | 0 | 60,000 |
クレジットカード (限度額50万円) | 10,000 | 0 | 120,000 |
合計 | 115,000 | 30,000 | 1,440,000 |
Aさんは既存の借り入れだけで年間144万円返済していると計算されます。それに今回申込む教育ローンの年間返済額36万円を足して計算すると・・・
(36万円+144万円)÷500万円=0.36 (返済負担率36%)
返済負担率は36%と言う数字が出てきました。仮に30%基準で単純に足切りしている金融機関であれば、審査は不承認となってしまいます。
ある金融機関では住宅ローン利用者は返済負担率40%までなら融資可でしたので審査は通ります。
同じ教育ローンを申し込む場合でも、金融機関の審査基準によって結果が違ってくることにを付けなければなりません。
一社申込んで審査落ちしたからといって早々に諦めないようにしましょう。
ここで注意しなければならないのは「借入額」ではなくて「返済金額」で審査されてしまうという事です。
住宅ローンなどの高額なローンを組んでいても、月々の返済金額によっては審査結果が異なってきます。逆に借入金額が少なくても、毎月の返済金額を多く設定している場合は審査が通りづらくなってしまいます。
3.過去に長期間延滞したことがある。(ブラック情報)

過去に長期間(主に3カ月以上)延滞経験がある場合は、いわゆるブラック情報として登録されている可能性があります。(この場合の3カ月とは、4月の返済金を7月まで払っていなかった場合を指します。3カ月連続で2,3日返済が遅れていた場合はこのケースに当てはまりませんので安心してください)
金融機関では長期の延滞者は、保証会社や債権回収会社へとローンの管理を移してしまいます。

といった場合はこのケースに当てはまります。
これは債権の異動情報といって信用情報機関に残ってしまい、重大なブラック情報として扱われます。
ただし、金融機関によっては特例措置を設けて、すでに返し終わった人が異動情報に当てはまる場合、又それが優良顧客と判定された場合は特例で融資可と判断されるケースもありますので、長期間延滞後に完済した人は金融機関へ相談する余地はあります。
4.過去に債務整理(民事再生や自己破産なども含む)(ブラック情報)

債務整理を行うと、それも信用情報機関へ登録されます。自己破産や民事再生の場合は、官報に登録されますので官報情報として10年間登録されます。
金融機関へ相談して返済期間を延ばして、返済金を減額してもらう相談をした場合は当てはまりませんので安心してください。
債務整理で借り入れが難しくなるケースとしては「3.過去に長期延滞した人」のケースと同じように、金融機関から保証会社へと債権の管理が異動してしまい、「異動情報」となっているケースです。
この場合は、3のケースと同様に完済後5年間は情報が残りますので借り入れが難しくなります。

5.消費者金融やキャッシングを利用したことがある。

消費者金融やクレジットカードのキャッシングは、総量規制(※1)の対象として情報が登録されているため、教育ローンの相談時に隠していても審査時にわかってしまいます。
隠していた場合は、厳格には虚偽申告として審査に落ちる場合と、金融機関の担当者や決済者の判断で審査不可となるケースがあります。
万が一利用していた場合は正直に担当者へ話し、一時的にどういった内容で必要で借りたのかを話すことによって印象が変わってくるでしょう。
一般的な銀行系の審査では、融資担当者や決済者の判断が最終的に重要となってきますので、消費者金融等を利用している場合はしっかりと申告してください。
年収の3分の1までしか借りれない事。対象は消費者金融やクレジットカードのキャッシングなど銀行以外から直接お金を借りているものになります。物品購入や銀行のカードローン等は除外となります。
6.勤続年数が1年未満、または3年未満

金融機関によって違いますが、基本的に勤続1年未満の場合は審査が非常に厳しくなります。
場合によっては申込みを受け付けてもらえない場合もあります。また、雇用形態が契約職員や派遣社員だった場合は、さらに厳しくなり、1年以上の勤務実績があっても審査に落ちてしまうケースがあります。
ただし、勤続年数を確認する資料として一般的には健康保険証を使いますので、自分の健康保険証が国民健康保険だった場合や、派遣会社から直接雇用に切り替わって健康保険証が変わった場合は、勤続年数を証明する事が難しくなります。
保険証の資格取得日を一度チェックして勤続年数を確認してください。
7.過去に同じ銀行(金融機関)で延滞したことがある

過去に延滞した金融機関に、もう一度教育ローンを申し込みに行った場合に断られるケースもあります。
金融機関では、それぞれ独自にデータを蓄積していますので、過去に何度も電話や手紙で督促した面倒な顧客はもう相手にしたくないという事なのかもしれません。
これは金融機関によって異なりますので、過去にどれだけ延滞していても貸してくれる銀行も当然存在しますので、これだけで申し込みを諦める必要はありません。
8.過去に何回も延滞を繰り返したことがある

過去の返済状況は、2年間信用情報機関に登録されます。正常に返済していることによって、教育ローン申し込み時にはプラス材料として判断されます。
しかし、延滞した情報も信用情報機関に2年間残ってしまいます。過去に何度も延滞を繰り返しているとマイナス材料と判断され審査に落ちてしまうケースがあります。
過去2年間に2,3回程度なら金融機関で教育ローンの申し込み時に、

ことを話しておくことで、融資担当者が審査の際、過去の延滞情報を発見しても特例として扱ってくれる場合もあります。
9.過去も現在も借入を利用したことが全くない(スーパーホワイト)

滅多にありませんが、信用情報機関に全く登録が無いケースがあります。
- 過去にローンを申し込んだことが無い
- クレジットカードも持っていない
- 携帯の割賦払いもしていない
といったケースがこれに当てはまります。
これはブラック情報に対してホワイト(まっさらな状態)と言われ、身分証明書の偽造等が疑われるケースがあり審査に落ちてしまう場合があります。
今までどこからも借入していない場合は、その旨を教育ローンの申し込み時に担当者へ伝えておく必要があります。
スーパーホワイトで審査に落ちるケースとしては、特に今まで取引の無かった一見の金融機関で申し込んだ際によくありますので注意が必要です。
10.現在の他行・他社の借入内容を正確に申告していない

他行・他社の借り入れ状況を正確に申告していない場合は虚偽申告として審査に落ちてしまう場合があります。
それ以外にも、金融機関は信用情報機関から得た情報をお客様へ伝えてはいけない決まりがあります。
過去に延滞していても特例で適用できるケースや、間違った情報が信用情報機関に登録されているといったケース等に備えて、教育ローンの申し込み時には担当者と綿密に現在の状況を話しておく必要があります。

まとめ
教育ローンの審査の際、信用情報機関による他社の借入の調査があるため、他の借入や過去の延滞履歴はごまかすことができません。
もし他社の利用状況や、返済状況を聞かれた場合はわかる範囲で正確に回答し、金融機関に嘘を言っていると思われない事が大事になってきます。
もしかすると、その際に借入できる方法や審査が通る方法を教えてくれるかもしれません。
金融機関の審査担当者によると、理由もわからず延滞情報が出てきた場合と、あらかじめ理由を聞いた上で(例えば通帳の記入を忘れていて入金したと思い込み延滞してしまった等)延滞情報が出てきた場合とでは稟議に上げる際に対応が違ってくると言います。
他社の借入が多い場合は単純に断られるだけでは無く借入の一本化を提案されたりするケースもあるそうです。
もし過去に延滞があったり他の借入が多そうな場合はしっかりと話しておくことも重要です。
勤続年数が短かったり、消費者金融をりようしていたり等、どうしても今解決する事ができない問題を抱えたまま教育ローンを借りなければならない人もいると思います。
そういった場合は民間金融機関の教育ローンの審査だけではなく、「国の教育ローン」の申込をしてみるのも一つの方法です。
国の教育ローンは民間金融機関の審査のように厳しくありません。民間金融機関で借りる事の出来ない層を対象として制度が設定されているため、年収の下限や勤続年数の制限もありません。
まずは民間金融機関で教育ローンの仮申し込みを何社かしてみて、それでもダメなようであれば「国の教育ローン」の申込に切り替えてみるのも一つの方法です。